せーなの話

日記と作詞とひとりごと

作詞[新月]4/19

去年の4月19日、1人の人間が亡くなりました。ASTROのムンビン。

私はAROHA(ASTROのファン)で、グループ6人が好きでした。特にっていう推しは他のメンバーですが、ムンビンはASTROの顔みたいな印象で、言うまでもなく必要不可欠なメンバーです。

2023年の木曜日の朝。1限に卓球の授業を取っていた私は、いつもより早い6時ごろに起きていました。すると、AROHAである姉が勢いよく起きてきました。何事かと思うと、「ムンビンが、、、」と言って自分の口からは言えないと言うのです。ムンビンは以前に一度休んでいたことがあったので活動休止とかかと思いました。それ以外思いつきませんでした。

すると、そばにいた父が正解を言い当てました。私は冗談だと思って、嘘やろって笑いかけながら言いました。でも、姉はそうだと言います。受け入れられないまま、私は家を出ました。電車で記事を読みました。

大学に着いて、卓球をしました。まだ、上手く笑えました。受け入れられていなかったからでしょうか。その後の他の授業は、集中できませんでした。紙いっぱいに思ったことを書いて、悲しみや怒りなどのあらゆる感情を書き出して、捨てました。

大学でも家でも、誰かといる時は泣きませんでした。2日後くらいの夜、1人で布団に入って泣きました。そのせいで鼻が詰まった状態で寝ることになり、喉をやられて風邪を引きました。風邪を引いた日、人生初めてのバイトの初日でした。

それから、バイトと大学で忙しい日々が始まり、悲しみきれないまま日々は過ぎていきました。もともと頻繁に会えていたわけではない存在なので、表面上の生活は変わらないものでした。

泣きたいのになぜか泣けない、心はぎゅっとなっていました。いつもなら悲しいことも腹が立つことも全て歌詞にしてしまうのに、ムンビンについてはなかなか何も書けませんでした。書き始めることがなぜかできませんでした。向き合いたくなかったのかもしれません。

この「新月」という歌詞は、6月9日に書いたものです。亡くなってから初めて、ムンビンを思いながら書いた詞です。思いつくままに書いて、それから手も加えていないので、おかしなところもあるかもしれません。

以前公開した「月明かり」という作詞は9月に書いたもの(公開前に編集あり)で、ムンビンへの感謝を書いていますが、この詞を書いたころは、思い出すだけで涙するような時間だったと記憶しています。

 

[新月]

会いたいの意味が変わった

会いたいと言葉にできなくなった

一瞬で消えてしまった月は

再び見えるのだろうか


いつになるかわからなくても

必ず会えるはずだったのに

いつになってもきっと

会えないのだろう


ただ見えないだけなら

これからを信じて待てるの

跡も形もなくなったら

癒えない傷のようになる

新月は月が消えてしまったようで

またきっと会えるから

寂しくなんてない

私は今寂しい


満月は美しすぎて

見てるだけで泣けてくる

思い出すことはできるのに

思い出はもう増えない


会いたいと言葉にしたところで

その不可能さに辛くなる

受け入れたらきっと

この新月は消えるよね


空を見れば

見えるはずなのに

空を見上げることが

こんなにも難しいなんて

新月はいったいどこへ

不安にさせないで

きっとまた会えるって

信じてもいいかな

いつかきっと会えるって


真っ暗な空

月明かりを求めて

いつまで待っても光は無い

もう2度と満月にはならない